とても貴重な「街の外科医」へ ~ 坊クリニック 坊 英樹院長 ☆2
外科医にとって「メスを置く」というのは特別な出来事のようです。病院にいても院長などの重職を担って管理業務や後進の指導に忙しく、がんなどの大きな手術に術者として関わらなくなるのも「メスを置く」ですし、開業して皮膚や爪の小さな病変を切ったりすることはあってもやはり皆さんが想像するような「外科医」とちょっと離れた仕事にシフトすれば「メスを置く」ということになります。
坊先生も短い対談の中で何度も「メスを置く」という言葉を使われました。それは「外科医として終わり」というより「外科医としての長い経験を生かして、患者さんの全身を診る医師になる」という変化の象徴なのではないかと思います。
【第2回 検査の大切さと難しさ】
片 山 :もうメスは置かれたとおっしゃいましたが、悪性腫瘍が見つかった場合はほかの病院へ?
坊先生:はい。近隣のがんセンターをご紹介というかたちになります。ここだと、有明、築地、二俣が近いので、通いやすいところなどご家族で相談していただき、ご希望の病院を選んでいただいています。
片 山 :なるほど。患者さんやご家族が選べるのはいいですね。
坊先生 :先日、胃がんが見つかった患者さんは築地に行かれましたね。
片 山 :主訴は何だったんですか?
坊先生 :体重減少だったんです。70代の方で最初は風邪で来院していたんですね。その後しばらく経ってから、「実は体重減少があって、食欲がないんだよね」と再来院されたので、胃カメラをしたら進行がんが見つかったんです。
片 山 :体重減少ですか。経験のある先生のところで診てもらってよかったですね。
坊先生 :最初は患者さんも風邪のつもりで来院されているので、検査をご提案しても「いやいや、ただの風邪だから大丈夫」となってしまうんですよ。
片 山 :そこは難しいですよね。風邪なのになんで採血するんですかってことになりますし。
坊先生 :そうなんです。「検査したほうがいいですよ」とはお伝えしますが、なかなか難しいところです。とはいえ、クリニックだからこそ、重篤な疾患の初期症状も発見できると思うので、患者さんに検査の大切さをしっかりお伝えしていきたいですね。
【坊 英樹先生略歴】
平成6年 日本医科大学卒業
平成28年まで 日本医科大学武蔵小杉病院消化器病センター勤務
日本外科学会 専門医
日本内視鏡学会 専門医・指導医
日本消化器外科学会 専門医・指導医
日本胃癌学会 代議員
日本食道学会 評議員
日本外科学会
日本消化器外科学会
日本臨床外科学会
日本消化器内視鏡学会
日本消化器病学会
日本癌学会
日本消化器内視鏡外科学会
日本腹部救急学会
日本創傷治癒学会
日本消化器癌発生学会
9時~18時(日・祝日・年末年始除く)
※本ダイヤルでの通話は、電話応対の品質向上とお問い合わせ内容確認のため、録音させていただいております。
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