pet
PET検査について
PETとは、陽電子放射断層撮影(Positron EmissionTomography)の略称です。CTやMRIなどが臓器の形から異常を見つけるのに対し、PETは細胞の活動の様子から異常を発見します。
FDG-PET・PET/CT検査
FDG-PET・PET/CT検査の仕組み
ブドウ糖によく似たFDGという検査薬剤を体内に注射し、全身に行き渡らせます。がん細胞は正常細胞に比べて、たくさんのブドウ糖を取り入れる特性があるため、FDGの集まり具合をPETカメラで画像化することで、がんの有無や位置、大きさを調べることができます。
- FDG※の生成
- 予約時間の10 ブドウ糖に似た成分に放射性物質を組み合わせた薬剤(FDG)をつくります。
- FDGを静脈注射
- 受診者の体内にFDGを注射します。体内にがん細胞があれば、FDGはそこに集まります。
- PETカメラで撮影
- PETカメラで撮影するとがん細胞のある箇所が光って映し出されます。



※FDG とは、F(フッ素)とDG(デオキシグルコース:ブドウ糖に非常によく似た糖の一種)の2つの部分から成り立っています。F(フッ素)はサイクロトロンで作られ、合成装置でDG と合体されます。毎日当クリニック内で合成・精製し、安全性を確認しています。この薬剤による重篤な副作用の報告はありません。
CTとの併用でさらに診断能力アップ
PET/CTは、その名称のとおり、PETとCTが一体化した装置です。PETとCTの両方を撮影することができるため、撮影時間の短縮に寄与すると同時に、形態画像(CT像)と機能画像(PET像)とのほとんどブレがない融合画像が可能となり、診断能力が向上します。
FDG-PET・PET/CT検査のメリットとデメリット
メリット①一度の検査でほぼ全身を撮影できる
CT検査やMRI検査は特定の部位を指定して撮影する一方、PET検査は1回で全身を撮影できます。そのため、予期しないところにがんが転移していたり、再発していたりしても、早期に発見することができます。
メリット②体への負担が少ない
FDGを投与する際の注射の痛みはありますが、装置に15分ほど寝ているだけなので体への負担が少ないです。また、FDGはアレルギーなどの副作用が少なく、安全性が高いこともわかっています。
デメリット①発見できないがんもある
例えば、脳、肝臓、腎臓や膀胱などの臓器は、生理的にブドウ糖が集まりやすいため、これらの臓器にできるがんの正確な診断が困難なこともあります。また、細胞密度の低いがんや、悪性度の低いがんも診断が難しいこともあります。加えて、糖尿病などで高血糖の場合、正しい結果が得られないこともあります。そのため、がん検診にはPET検査だけでなく、超音波検査やMRI検査などの検査を組み合わせて受診することをおすすめします。
デメリット②放射線被ばくのリスク
放射線を使用していますが、PET検査1回あたりの被ばく量はごくわずかです。普段生活しているだけでも人間は大地や宇宙などから放射線を浴びていますが、PET検査1回で被ばくする量と、年間で自然に被ばくする量はそれほど変わりません。また、PET検査の放射線は時間が経つにつれて弱くなっていく性質があるため、FDGの場合は約2時間で半分ほどの量となります。FDGそのものもほとんどが尿と一緒に体外へ排出されます。
FDG-PET・PET/CT検査の保険適用について
人間ドックなどと同様に、予防を目的とした検診には健康保険が適用されないため、費用は全額自己負担となりますが、治療の一環として検査を受ける場合は健康保険が適用されることがあります。
てんかん、心疾患若しくは血管炎の診断又は悪性腫瘍(早期胃癌を除き、悪性リンパ腫を含む)の病期診断若しくは転移・再発の診断を目的とし、下表に定める要件を満たす場合に限り、健康保険が適用されます。なお、PET/CT検査については、心疾患に対する診断は保険適用外となります。一昔前まで、PET検査では一部の疾患を除いて、健康保険の対象にはなりませんでしたが、2010 年の改訂で、早期の胃癌を除くすべての悪性腫瘍に健康保険の適用が認められるようになりました。ただし、レントゲン検査、MRI などの画像検査や、血液検査、超音波検査などでの診断、転移、再発の診断が確定できない患者様、またはすでに診断されている患者様に限定されるため、注意が必要です。
てんかん
難治性部分てんかんで外科切除が必要とされる患者に使用する。
心疾患
虚血性心疾患による心不全患者における心筋組織のバイアビリティ診断(他の検査で判断のつかない場合に限る)、心サルコイドーシスの診断(心臓以外で類上皮細胞肉芽腫が陽性でサルコイドーシスと診断され、かつ心臓病変を疑う心電図又は心エコー所見を認める場合に限る)又は心サルコイドーシスにおける炎症部位の診断が必要とされる患者に使用する。
悪性腫瘍(早期胃癌を除き、悪性リンパ腫を含む)
他の検査又は画像診断により病期診断又は転移若しくは再発の診断が確定できない患者に使用する。
血管炎
高安動脈炎等の大型血管炎において、他の検査で病変の局在又は活動性の判断のつかない患者に使用する。
脳アミロイドPET/CT検査
脳アミロイドPET/CT検査の仕組み
アルツハイマー型認知症は脳内に「アミロイドβ蛋白」と呼ばれる特殊な蛋白質の蓄積が原因の1つと考えられています。脳アミロイドPET検査は、「アミロイドβ蛋白」に結合する性質をもった薬剤を投与し、PETカメラで脳を撮影することにより、「アミロイドβ蛋白」の蓄積の有無や程度を画像化する検査です。
※当院ではPET/CT装置を使用し、CT撮影も行います。
認知症の専門医療機関のご紹介
提携している医療機関の一部をご紹介します。
横浜市総合保健医療センター
介護の必要な高齢者・認知症の方・精神障害のある方が、在宅生活を送るための、保健医療の専門的な支援を行っています。
横浜市総合保健医療センターホームページ
メモリークリニックお茶の水
認知症の早期発見と早期治療のための専門クリニックです。
メモリークリニックお茶の水ホームページ
日本医科大学武蔵小杉病院
川崎市の認知症疾患医療センターに認定されており、もの忘れが心配な方や認知症性疾患の患者さんの診断・治療を行っています。
日本医科大学武蔵小杉病院ホームページ
横浜総合病院
横浜市の認知症疾患医療センターとして、神経内科では脳神経外科や臨床各科と密接な連携をとって最適な治療を提供できるような診療体制をとっています。初診は予約制ではなく、随時対応しています。
横浜総合病院ホームページ
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