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第5回 乳がん診療におけるPETの活用と今後の展望  片山理事長 × 自由が丘みきブレストクリニック 森院長

あっという間に時間も進み、最後の回です。実はこの日、私(片山)の他に診療放射線技師で医療連携部長、2人のお子さんのお母さんである小金井由美子と、事務統括本部所属で理事長秘書、同じく2人のお母さんの岩間真紀が同行させていただきました。インタビューも終盤にさしかかると、私よりこの2人の方が森先生に食いついてしまい、4人での座談会のようになってしまいました。

ちなみに帰りはクリニック下の「五右衛門」でパスタを食べて帰りました。

 

片山: 先生はどのようにPETを利用されていますか?

 

森先生: そうですね、乳がん術後で転移再発を疑う方には、お願いすることがあります。最近では腰痛が増悪する方で骨転移などの検索のため依頼しました。

 

片山 : 乳がんは、骨も含めて思わぬ所に転移することもままありますよね。

 

森先生 : ほかにも、腫瘍マーカーが高いけれども、他に転移を疑う所見がない方には一応全身をみておきたいのでPETをオーダーしますね。あと、転移を疑う病巣があり、他の検査で確認ができないので年1回PETを撮影されている方もいます。今は、再発について皆さんよくご存知ですし。

 

片山 : 患者さんもネットでよく調べていますしね。ただ、ネットの情報はいろいろですから、我々医師も正しい情報を直接患者さんに伝えたり様々な方法で発信して、また患者さん自身も信頼できる医療機関を見つけることは大切ですね。

 

森先生: あと、適材適所というか、大学病院とクリニックの棲み分けを明確にする必要があると思います。

 

片山 : なるほど。クリニックは継続的に診てもらえるし、良性だと思われる乳腺腫瘤などのフォローは、大学病院よりクリニックの方がはるかにいいですよね。

 

森先生 : 乳がんが見つかった患者さんには、術後10年は定期的に経過観察をしています。長いおつきあいになるので、そのことも視野に入れてかかりつけ医を見つけて欲しいですね。

 

片山 : 今後の展望などはありますか?

 

森先生 : 乳がんに携わる中で思うのは、乳がんの発生を減らしたいということです。ただ、発生自体を減らすことは難しいので、より早い段階で見つけたいと考えています。家族歴や病歴から、乳がん発症リスクが高い方を拾い上げ、適切な対応をすることも大事だと思っています。また、早期発見に繋がるよう、患者さん含め多くの方に検診の大切さをうったえかける活動もしていきたいですね。

 

片山 : 期待しています。今日はありがとうございました。

 

※1:手術を受けた乳房やその周囲の皮膚やリンパ節で再発すること。乳がん治療後に乳房から離れた場所で再発した場合は、転移ないし遠隔転移という。

 

◇◇◇

 

自由が丘みきブレストクリニック

院長 森 美樹(もり みき)

 

○趣味○スキー、山歩き

 

○略歴○

1975年 広島県に生まれる

2001年 鳥取大学医学部医学科 卒業

2001年 鳥取大学医学部病態制御外科学講座 入局

2004-2007年 がん研有明病院 乳腺外科 レジデント

2007-2010年 聖路加国際病院 乳腺外科 クリニカルフェロー

2010-2016年 昭和大学 乳腺外科 助教

2011-2013年 米国カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校 University of California, San Francisco, Visiting Assistant Professor

2016年5月 自由が丘みきブレストクリニック 院長

○資格○

医学博士

日本乳癌学会 乳腺専門医・指導医

日本外科学会 専門医

検診マンモグラフィ読影認定医師 A判定

乳房超音波医師試験 A判定

 

 

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